- 都久志会館
- 福岡市中央区天神4-8-10
第28回
第28回日本靴医学会を開催させて頂くにあたり、一言ご挨拶申し上げます。九州の地での開催は、第9回(1995年)の福岡(松﨑昭夫会長、福岡大学の同門です)、第14回(2000年)の長崎(寺本司会長)に引き続き3回目となります。
今回の学術集会のテーマとして、「靴と足のウソ・ホント」と、「フットケアと靴医学のコラボレーション」の2つを掲げました。「靴と足のウソ・ホント」は例えば「ハイヒールは足によくない」というのは本当か、「ハイヒール」が悪者にされているが、本当は何が問題なのか、また、「靴は紐靴が優れていて、踵を合わせてからひもをしっかり締めなければならない」というのは日本のような靴を脱いだり履いたり頻繁にする生活様式ではベストなのか、靴選びは足の容積が最大となる夕方がベストであるというのは本当か、等々、靴に関わる常識といわれているものが、本当に根拠(エビデンス)のあるものかどうかという点からディスカッションしていただきたいと思い、このテーマを掲げました。このテーマでの講演として、東北公済病院の羽鳥正仁先生に「足の診療に役立つ画像診断のウソ・ホント」を、日本靴医学会前理事長の井口傑先生に「外反母趾によい靴、ウソとホント」を、NPO法人オーソティックスソサエティーの内田俊彦先生に「靴合わせに関するウソ・ホント」をお願いしております。
一方、「フットケアと靴医学のコラボレーション」は、最近糖尿病や血管障害などによる足の病変に対するケアのレベルが向上し、いろいろな工夫が見られるようになりました。それに応じて靴の対応もさらにレベルアップの必要があり、できればフットケアに関心のある方にたくさんご参加いただき、靴に関する知見を高めていただき、また要望を出していただきたいと考え、今回のテーマに選びました。このテーマでの講演として、杏林大学の大浦紀彦先生に「糖尿病性足病変の患者に対するフットケアと靴装具の重要性」をお願いしております。
以上のテーマとは別に、靴に関する研究とそのアウトプットの仕方について多くの方に関心を持っていただくために、清仁会清水病院の奥田龍三先生に「研究の仕方と論文の書き方 −科学する人のために−」という講演をいただくことにしております。また、投稿された論文がその後どのように扱われて掲載に漕ぎ着けるかを知っていただくために、井口傑先生には「査読とは-科学論文の読み方-読者の心構え」というテーマでお話しいただくことにしております。
また、9月27日(土)の午後には、市民公開講座として、「ファッションシューズの「ホント・ウソ」」というタイトルで、元日本はきもの博物館学芸課長の市田京子先生、靴ジャーナリストの大谷知子先生のお二人にお話を頂くことにしております。
9月の福岡は、まだまだ残暑厳しいことが予想されますが、アジアの玄関口として、おいしい食材が豊富で活気のあるところです。多数のご参加をお待ちしております。